ヒゲダンスよ、永遠に

皆様、私、この場所では暗いニュースや話題をあまりお伝えしたくないと思っているのですが、本日の記事を書こうと準備していた矢先、突然、志村けんさんの訃報が入ってきました。私、ガッツリどっぷり「ドリフ世代」でありまして、「8時だョ!全員集合」をリアルタイムで体験、毎週土曜夜8時を本当に楽しみにしていた幼児の一人でしたので、今回の訃報は非常に衝撃的でした。そこで、本日は急遽予定を変更し、幼少の頃愛してやまなった「8時だョ!全員集合」という番組について、特に印象に残っているコントについて語ってみたいと思います。

私と同年代の昭和キッズなら、誰でも確実に一度は見たことがあるだろう「8時だョ!全員集合」(以下全員集合)は、1969年10月〜1985年9月までおよそ15年続いたバラエティ番組です。オープニング、前半の大掛かりな仕掛けが満載のコント、ゲストの歌、後半のミニコーナー、エンディングという内容で、驚くべきことは、全編フルバンドの生演奏、それが「生放送」されていたという、今では考えられないぐらい超贅沢な構成でした。

志村さんが所属していたザ・ドリフターズは、ビートルズ日本公演の前座演奏でも有名ですが、もともと音楽活動を行っていたこともあり、全員集合のコント内、幕の合間で使用される楽曲に至るまで、細部にこだわりまくった名曲ばかりなのですが、幼少の私といえば、志村さんのおこっちゃヤーヨ!や、カトちゃんペ!の方が印象的だったので、まったく気にも留めていませんでしたw。全員集合の音楽について語り出すと、それだけで1記事費やしてしまいそうなのでw、早速コントについて語っていきましょう。

まず、前半の大掛かりなギミック満載のコントで印象的だったのは、「ジャングル探検」や夏定番の「オバケ屋敷」に共通する、ハチャメチャ展開もの。ジャンルで言うと、ファンタジーアドベンチャーになるのでしょうか。大抵の場合、まず初めに志村さんか加藤さんが怪しげな存在と遭遇するのですが、なぜかいかりやさん、高木さん、仲本さんの時には出てこないという。「志村ーーー!!!うしろーーーー!!」と昭和キッズが熱狂したあの有名な一コマは、この探検隊&オバケもので登場しましたw。とにかく生放送ですからね〜w、お客さんの生声がリアルタイムで流れちゃうのw。臨場感たっぷりw。私ももちろん、志村!うしろー!!とテレビに向かって叫んでおりましたよw。今でも、母に真剣に尋ねたコトを覚えておりますw。

私:「なぁ、お母さん、なんで志村ってアホなんやろな?」(超失礼)

母:「え?いい加減だからでしょ」(←この発言が超いい加減・ちなみにうちの母は超標準語ですw)

そして、もう一つ印象的だった前半コントシリーズが、日常風景モノです。舞台は、大抵が古い長屋か、アパートの一角。高確率でバケツや大ダライが落ちてきたり、加藤さんのクシャミでトイレの一角が傾いたり、観音開きになったりするというw。ファンタジーものと比べるとストーリー展開がゆるやかなのですが、一見仕掛けに見えないところにたくさんの大掛かりなギミックが隠されていて、本当にワクワクしました。この場合、いかりやさんは大抵女装(大家のオバさんだり、母親だったりw)、他のメンバーも女装か子供役というパターンが多かったです。

後半のミニコーナーは、個性的で素晴らしいシリーズが数多く存在したので、リスト化しながら簡単にご紹介いたしましょう。

 

(早口言葉シリーズ)

少年少女合唱団の一コマで生まれたシリーズ。カッコイイR&Bの伴奏に乗りながら早口言葉を言うだけなんですけど、コレがまぁなんとも面白いw。生麦生米生卵、どじょうにょろにょろ…と、最初は普通に進むのですが、ある瞬間からボイスチェンジャーに切り替わり、おかしな早口言葉になっていくという。テレビに向かって一生懸命早口言葉を繰り返した幼少の私w。有名な東村山音頭もこのコーナーから発生しています。ちなみに、カッコイイ楽曲の元ネタはウィルソン・ピケットの”Don’t Knock My Love”。

(陽の当たる急な坂道)

舞台の半分を占める大きくて急な坂道のセットに向かって、様々なものに扮装したドリフのメンバー(ハゲおじさん、お相撲さん、犬などw)と、ゲストのアイドルが、一生懸命坂道を登るだけなのですがw、これがまぁおもしろいんですよ。すんなりと登れる時もあるんですが、色々な人物に扮装しているので、まったく登れない時は登れないw。ミニスカートのアイドルのパンチラなどもたびたび登場し、それがゴールデンタイムに生で流れちゃうという、まぁなんとも昭和らしい一幕でしたw。今ならコンプライアンス的に絶対アウトw。

(新婚コント)

志村さんと、ドジっ子な新妻桜田淳子さん演じる、新婚生活の一コマを描いたコント。桜田さんがまぁ、ありえないぐらいドジっ子なのですよ。洗濯はビチョビチョ、オカズは全部スイカ、味噌汁に靴下を入れる、と常軌を逸したレベルなんですけどw、度重なるドジにキレる志村さんに対しての桜田さんのリアクションが毎回めっちゃくちゃオモシロイ!。吉本新喜劇でいうところの「お約束ギャグ」w。次に起こることがわかり切っているからこそ、くるぞ、くるぞ!キター!という楽しみ方のできる非常に高度なコントでございます。

(地下鉄階段)

コレ、見ると絶対やりたくなりますw。舞台に並んでいるのは、地下鉄に降りていく階段の壁だけ。上手から登場したメンバーが、その壁のところに来たら、普通に階段を降りていくように消えて行くのですが、もちろん、舞台は一枚板なので階段はありません。階段があるように見せているという、志村さんをはじめとするドリフの皆様の力技キラめくコントです。私、何度もマネをしましたが、なっかなか難しいんですよ〜、コレ!

(ヒゲダンス)

もうこれは絶対外せない、後半戦の代名詞ともいえるコント。おそらく知らない方はいないでしょう。志村さんと加藤さんがヒゲをつけてダンスをしながら、面白愉快かつ高度な大道芸にチャレンジするというアレです。やっぱり有名なのは、投げたフルーツを剣でキャッチするという芸でしょうか。この時のBGMはあまりにも有名ですよね。志村さんや加藤さんの心情に合わせて、曲の調子も変化していたのですが、覚えていらっしゃいますか?失敗した時はちょっとしょんぼりした曲調、成功した時はリズミカルに、と、生演奏だからこそできた凄技です。ちなみにこのメチャクチャカッコイイ曲の元ネタはテディ・ペンダーグラスの”Do Me”。

 

だめだ!まだまだ「布団コント」、「志村さんのスイカ食い」、「カラス〜なぜ鳴くの」、「加藤さんのちょっとだけよ♡」と、書きたいネタは山ほどあるんですけど、文字数がすでにえらいこっちゃになっているので、この辺で締めたいと思います。ご興味のある方は、TBSオンデマンド等でぜひご覧になってみてください。

実は「8時だヨ!全員集合」についてはいずれお話する予定だったのですが、まさかこんな形でお披露目することになるとは思ってもいませんでした。

志村さん、あなたが築いてくださった日本のエンターテイメントの礎は、これからも多くの日本人の癒しとなることでしょう。長い間たくさんの笑いを届けてくださり、本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りくださいませ。

最後に、超カッコイイ志村さんの動画で締めたいと思います。

キリン「氷結」Webムービー

Comment

There is no comment on this post. Be the first one.

Leave a comment

CAPTCHA